【マジック技法】混ぜられたデックから好きなカードを抜き出す【カル編】

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Shin
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こんにちは。Shinです。

だんだんとできるマジックのテクニックが増えてきたのではないでしょうか。

マジック自体はまだ2つしかご紹介していませんが,確実に一つ一つを完成させていくことで長く使えるマジックになるので,焦らずゆっくり練習してみて下さい。

さて今回は,即興でマジックを披露するときに重宝するマジック技法をご紹介しようと思います。

マジックを複数演じる時,例えばデックのトップに4枚のエースを置いた状態で始めたいマジックが途中に入っていると,セットをするために一旦離脱することになってしまいます。

ですが,「カル」をマスターしておけばこのような問題を解消できます。

みんなで遊んでいたトランプを使ってマジックをする時や,初めに相手にトランプを混ぜられてしまう場面などでも活躍します。

さっそくご紹介するマジック技法「カル」の種類とやり方の解説に入っていきます。

トランプマジックの柔軟性を底上げする技法「カル」

Cull(カル)は間引きという意味があります

名前は既にタイトルにも見出しにも入れていますが,改めて今回は「カル」という技法をご紹介します。

簡単にこの技法を説明すると,

お客さんにバレないように,デックの中から好きなカードを好きな場所に移動させる

というものです。

これだけ聞くと万能感が漂いますね。ですが,実際にはどこでも何回でも使えるというわけではありません。

一番大きな理由は,

デックをスプレッドする必要があり,マジックの中で何度もスプレッドをしていると流石に怪しさが出てしまう。」

ということです。他にも,「左右の角度には比較的強いが,上下の角度には気を付けなければならない。」という理由もあります。

これから解説をしていきますが,カルの使い方には大きく分けて2つあり,

1.好きなカードをトップかボトムに集める

2.カードコントロールとして使う

という用途があります。

2.のカードコントロールはもともと一つのマジックの中で何度も使うわけではないので良いと思いますが,1.の好きなカードを集める時には注意が必要だと思います。

基本的にはマジックとマジックの間でお客さんの緊張も緩んでいるときに,こっそり使いたいカードを集めておくという用途が多いと思います。

「カル」で好きなカードをトップやボトムに集める

こちらがカルの基本的な使い方となります。

カルは空中スプレッドの途中で行いますが,自分でカードを把握できていないと好きなカードを選べないので,フェイス面を上にした状態でのスプレッドとなります。

トップとボトムでやり方が少し異なるので,順番に解説します。

好きなカードをボトムに持ってくる

この場合のボトムはデックを伏せて置いた時の位置のことなので,フェイス面を見ている場合には一番手前になります。

ボトムに持ってくる場合には少しスプレッドを立てて,お客さんからはフェイス面が見えないようにします。

まずは正面からどのように見えるか実演動画で確認してみて下さい。

【マジック技法】フェイス側に集めるカル【実演】

正面と言いつつカメラの位置的に上からの視点になってしまったので,少しカードが浮き上がる様子が見えますが,逆に動きのタイミングが分かりやすいかもしれないので残しておきました。

それではさっそく順を追って解説していきます。全体的なタイミングは実演動画を参考にしてみて下さい。

1.あまり広げすぎないようにスプレッドし,少しずつカードを送っていく。

2.特定のカードを見つけたら右手の中指・薬指でそのカードの左隣のカードに後ろから触れて右にずらす
(※相手からはバックが見えているため,この操作で引き出す様子をカバーします。)

3.左手の親指で特定のカードのフェイスに触れ,左に引き出す

分かりづらいかも知れませんが,真横に引き出すというより,左下に向けて引き出します

これは,スプレッドの角度的に上側に飛び出すとすぐにばれてしまいますが,下からはみ出ていてもお客さんからは見えにくいからです。

4.カードを左に抜き出したら,今度は右手の親指に渡して一番手前に持っていく。
(※この時,スプレッドの上部からフラッシュする可能性があるので,スプレッドに対して少し低い位置で受け渡します。)

このGIF画像のように,スプレッドで右手に送られたカードを少し雑に持っておくことで,カバー範囲を広げることができます。

好きなカードをトップに持ってくる

こちらは先ほどと違い,フェイス面を誰からでも見られるように倒してスプレッドし,その下側で操作を行います。

個人的にはこちらの使い方がおススメです。

スプレッドをして自分だけカードを見ていると少し怪しまれる可能性がありますが,フェイス面を相手にも見せていれば何となくカードを確認しているだけのように見せられるからです。

場面にもよりますが,

全部バラバラのカードですね?」「同じカードが入っていたりしないですね?

などの言葉を添えておくと,もちろん本当に全て確認してもらうわけではありませんが,表向きにスプレッドしていることの意味付けができます。

ちゃんとカードは全部そろっていますね…AもKも…

といった言葉つぶやけば,確認作業をしているように見せたりもできます。

今何をしているんだろう…

といった疑問を感じさせないことも,マジックを自然に見せる上では重要です。

すぐに話が長くなってしまい申し訳ないですが,ようやく解説に入ります。

とはいっても,さきほどの動きが理解できた方には簡単だと思います。表と裏で逆の操作を行うだけです。

まずは実演動画を見て全体のイメージをつかんでおいて下さい。

【マジック技法】バック側に集めるカル【実演】

♤Aだけに注目していると少し違和感があるかもしれませんが,実際に使う時はお客さんからは「何か特定のカードを探している」とは思われていない状態ですので,気にされることはありません。

それではいくつかのパートに分けて解説していきます。あくまで,全体の動きは実演のように一連の流れで行います。

1.バックをテーブルに向け,表向きで少しずつスプレッドをしていく。

2.特定のカードを見つけたら左手の親指でそのカードの右隣りのカードのフェイスに触れ,少し左にずらす

手順3が済んだら,この引き出したカードも含めてスプレッドを送っていきます。

3.それと同時に右手の人差し指・中指・薬指でそのカードの左隣のカードに後ろから触れて右に引き出す

分かりやすいように1枚だけひっくり返しています。

4.完全にカードを抜き出せたら,スプレッドを送りつつ裏側で左手に受け渡して一番奥に持っていく

「カル」をカードコントロールに使う

カルにはカードコントロールとしての別名があり,「コンビンシングコントロール」と呼ばれています。

ちなみに「コンビンシング(convincing)」とは「説得力のある」という意味であり,上手く使えば非常に有用なコントロールとなります。

また,基本的にはボトムコントロールになりますが,少し工夫すればトップコントロールとしても使えます

今回の記事があまりにも長くなってしまいそうなのと,コンビンシングコントロールはそれ単体でお伝えしたいことが沢山あるので,また別の記事で解説いたします。

参考動画だけここに載せておきます。

【マジック技法】コンビンシングコントロール【実演】

好きなカードを何枚でも「ロードランナーカル」

カル」の説明の中で,「集める」という言葉が何度か登場したと思います。

しかし,カルの解説では特定のカード1枚をトップかボトムに持ってくるだけでした。

実は,カルの応用として「ロードランナーカル」というものが存在します。

このロードランナーカル複数枚のカードを一気に集める方法です。

同じ数字のカード4枚を集めても良いですし,極めれば赤いカードだけを全て集める,ということも可能です。

この技法はカルが完璧にできることが前提となりますので,まずは焦らずにカルを確実に使えるレベルまで習得してください。

そして1枚のカルが余裕でできるようになったら,別の記事で解説するロードランナーカルを読みに来てください。

好きなカードを自由に移動させる「カル」まとめ

いかがだったでしょうか。

今回の記事ではカルについて解説していきましたが,カルの派生形を含めるとお伝えしたいことが多すぎて,とてもこの記事だけでは足りませんでした。

まずは表向きのスプレッドで1枚を操作するのカルをマスターできるように練習してみて下さい。

それができていれば,後ほど解説する派生形もスムーズに習得できます

あまり長くなりすぎると,記事を読む気も練習する気も失せてしまうので,コンビンシングコントロールロードランナーカルについては,別の記事で解説をすることにしましたが,絶対に解説の記事は作りますので楽しみにして頂けると嬉しいです。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

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  1. […] […]

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