【マジック技法】さらなる高みを目指して【ダブルリフト応用編】

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Shin
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こんにちは。Shinです。

前回の記事で初心者の方向けにダブルリフトの解説を行いました。

今回の記事では,ある程度ダブルリフトの動きに慣れた方,中級者以上の方に向けた,さらにダブルリフトを極めるための解説となります。

もちろん,前回の記事を読んですぐにこちらを読んでいただいても良いのですが,もしすぐにできなくも焦る必要はありません。

頭の片隅に入れておくだけで,マジックの色々な技を練習しているうちに手が自然な形に近づいていきます。

それではさっそく内容に入っていこうと思います。

マジックの中ではダブルリフトの存在を消す

まず,初心者の方がやってしまいがちな不自然な動きとして,裏返し終わる最後の時までカードを持ってしまうことが挙げられます。

2枚のカードがズレてしまうのが怖いのは当然なのですが,1枚を裏返す時の動きを試してもらうと分かるように,丁寧にカードを扱いすぎるても逆に不自然に見えてしまうのです。

つまり,前回の記事でも少し触れましたが,適度な脱力がポイントです。

そしてさらに言えば,お客さんから力んでいないように見える動きが,より説得力を増させます。

具体的な方法は,大きく分けて2つだと思います。

1.トランプを軽く扱うことで不自然さを出さない

2.不安定な要素を入れることで,2枚であることを疑わせない

2つ目のポイントは難易度が高い上に,マジシャンによっては余計な動きだと思う方もいるので,参考程度に見てもらえれば良いと思います。

それぞれにいくつかポイントがあるので,分けて解説していきます。

トランプを軽く扱う意識をしてみる

1.持っている手に力を入れすぎないこと

カードを持っている手に力が入りすぎていると,いくらお客さんが素人の方でも不自然さが伝わってしまいます。

注意点を上げるとすれば,

・カードが大きく湾曲するほどカードのコーナーや端を強く握ってしまっている。

・親指の爪の部分が少し黄色くなるほど強く握ってしまっている。

・手の甲に筋が浮き出るほど指先に力を込めてしまっている。

というところでしょうか。

人間が何を不自然に感じるかは難しい問題ですが,ご自身で確認する方法としては,「1枚を裏返す動作」と「ダブルリフトを行った時の動き」を鏡や動画などで比較してみると良いと思います。

2.1枚の時と同じことをする

こちらは,その人の癖が関係してくるポイントですが,例えばカードをめくる時に音を鳴らす癖のある人は,ダブルリフトの時にも鳴らす方が自然と言えます

逆に,普段音を鳴らしていない人が,ダブルリフトの時だけ1枚感をアピールするために音を出すのも不自然です

確かに,普段から様々な動きのバリエーションを持っている方は色々なパターンを複合することで,全体的にマジシャンっぽい動きということでお客さんの意識の外にいくことはあります。

しかし,初心者~中級者の方で1枚をめくる時とダブルリフトをする時でそれぞれ1パターンずつしか持っておらず,違う動きをしている場合にはどちらかに統一したほうが良いと思います。

お客さんによっては,これらのことを一切気にする必要がないこともあります。
しかし,疑り深い人は友人でも家族でも親戚でもお客様でもどこにでもいるものです。

もしものことを考えて保険を掛けておくのはマジックをする上で大事なことです。

例えば,お客さんのうちの一人が「もしカードを2枚一緒にめくれたらこの現象を説明できそうだな…」と考えているときに,ダブルリフトの時だけ違う動きをしていると

なんかその動きをするときだけ怪しいよね?

と突っ込まれてしまうこともあるのです。

私自身ダブルリフトの時に指摘されたことはありませんが,別のマジックを演じているときに痛いところを突っ込まれてしまった経験はあります

鏡などで,自分がどんな動きをしているのか観察してみると良いと思います。

参考のために1枚と2枚で同じ動きを心掛けたGIF画像を載せておきます。

あえて不安定な要素を入れる

カードが一瞬でも空中に浮いたり,一瞬でも両手から離れる瞬間があると,人間は自然と2枚であるという疑念を捨てやすくなります

とはいっても,

こんな動きもできるんだぜ,すごいだろ

というように見せびらかしてしまっては意味がありません。「なんとなく手癖のように行ってしまった。」くらいの自然さ行うことで初めて意味があります。

正直なところ,ここで紹介するダブルリフトのテクニックは自己満足の領域とも言えます。

なので,普通のダブルリフトに飽きてしまった方が,アクセントとして入れてみる程度に考えて下さい。

今回は2つだけですが,ダブルリフトのバリエーションをご紹介したいと思います。

ゴードン・ターンオーバー

こちらは,マジシャンの中ではかなり有名な技法です。

ただ単にデックから2枚のカードを表返す時には,使うことを避けるマジシャンはいるかと思いますが,2枚だけでなく3枚や4枚の時でも使える方法なのでマジックどこかに取り入れているマジシャンは少なくありません

少し変わった動きなので,まずは以下のGIF画像をご覧ください。

こちらの技法もスタートは同じで,2枚の下にブレイクを取っています。

特徴として空中で縦にカードを表返すので,印象としては不安定さを与えられると思います。

また,先ほどの同じ動きをするというところを重視するのであれば,1枚の時も同様に縦向きに返すと良いと思います。

それでは解説をはじめていきますが,持ち方が一番大事なので,下の画像を参考にしながら同じ持ち方をしてみて下さい

トランプ奥側の辺を持つ指は中指でも薬指でも,やりやすい方で構いません。

1.人差し指でトランプの真ん中あたりを押してカードを反らせる

2.親指の側面と爪の境目辺りを使い,親指をカードの表側に回していきます

3.カードの右側面を人差し指・中指・薬指の付け根辺りに当てながら表返すことで,2枚がずれるのを防ぐ

GIF画像の作成に失敗したのでYouTubeになってしまいましたが,自分視点からのゴードン・ターンオーバーの動画を載せておきます。

【マジック技法】ゴードン・ターンオーバー

最初は難しいかもしれませんが.慣れてしまえばほとんどズレることはありませんし,4枚くらいまでなら同じ動きが使えると思いますので,ぜひ練習してみて下さい。

重力に任せてカードを滑らせる

こちらは先ほどの技法とは異なり,マイナーな技法だと思います。私の知識不足かも知れませんが,特に名前も付いていなかったと思います。

こちらのダブルリフトはタイトルに書いた通り,重力に任せて2枚のカードをまとめて滑らせ,そのまま受け取って表返すという方法です。

これから解説をしますが,それを読んだ後でも

重力で滑らせるのは運任せみたいで怖いんだけど

という意見も出てくると思います。ですが,もし見た目的に面白いなと思っていただけたら,ぜひ練習してみて下さい

こちらの技法も感覚をつかんでしまえば,ほとんどミスしない完成度までもっていくことが可能なので安心してください

ただ,新品のトランプだとどうしても成功率が下がってしまうことがあるので,少し使い込んだトランプで練習することをお勧めします。

それではポイントを解説します。

1.ブレイクを取った状態で,中指・薬指をカードの下に配置します。

2.下のGIF画像のようにカードの端に対して少しプレッシャーを掛けます。あまり強い力は必要ありません。

3.感覚的で難しいのですが,プレッシャーを掛けた後すぐに中指・薬指の先端を少し曲げて,2枚のカードの表面が爪に当てるようにします。すると,支えがなくなり滑り出します。

4.つかむのではなく,右手で落ちてくるのを支えるだけで,あとはそのままひっくり返します。

カードがズレてしまう原因として考えられることは,

・指のどこかに当たってカードの片方だけに摩擦が発生してしまっている

・プレッシャーの掛け方が弱すぎる

・トランプが新品に近い

などが挙げられるかと思います。

なかなか実践で使うには勇気が必要ですが,練習さえすれば安定して使える技法ですので,興味のある方は練習してみて下さい。

マジックの基本技法「ダブルリフト」の応用編まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか。

ダブルリフトはマジックを演じる上で非常に重要なテクニックです。

重要であることを意識さえしていれば,マジックを続けているうちに自然と上達していきます。

逆に言えば,全然意識していない人はマジシャンでもダブルリフトに違和感のある人もいます。ぜひ基本を大事にしてください。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

コメント

  1. […] […]

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