
こんにちは。Shinです。
前回のカラーチェンジ第一弾の記事は読んでいただけたでしょうか。
まだ読んでいない方はぜひ両方とも呼んでいただきたいです。
本来であれば,今回ご紹介するカラーチェンジと前回のトゥウィローチェンジは同じ記事の中でご紹介する予定でした。
しかし第一弾ということもあり,解説に熱が入りすぎてしまいました。
(※一つのカラーチェンジのご紹介だけで,今までの記事で最長です。)
ここがマジックの面白いところでもあり,難しいところでもあるのですが,ただ単に技法を解説するだけなら,すぐに記事を終わらせることもできます。
ですが,それでは実践的なマジックをお伝えしていることにはならず,単なる種明かしと変わらなくなってしまいます。
あくまでこのブログの目的である,マジックを演じる楽しさを知っていただくというところに重点を置き,失敗しないための方法なども併せてお伝えしたいのです。
前置きはこのくらいにして,さっそく解説に入っていきましょう。
カードを擦ると変化する「アードネスカラーチェンジ」
「アードネスカラーチェンジ」の実演とご紹介
前回ご紹介したトゥウィローチェンジもマジシャンの間ではかなり有名ですが,一般の方も含めるのであれば,アードネスカラーチェンジが最も有名かも知れません。
まずは動きを頭に入れていただくという意味で実演動画をご覧下さい。
いかがでしょうか。
マジックをお好きな方なら一回は見たことのある動きだと思います。
一瞬フラッシュしてしまっているのは大目に見て下さい…
この動きをする時に小指が開いてしまうのが癖になってしまい,なかなか矯正ができなくなっているのです。皆さんは気を付けて下さい。
そして,有名だからこそ,このカラーチェンジで気を付けなければいけないポイントはお客さんです。
マジックを見せる時,お相手の方と何気ない会話から入ることが多いのですが,その時に相手がマジックをどのくらい好きか聞いておくと良いと思います。
もしも,

マジックを見るのは大好きです!
と言われた場合には要注意です。
もう少し探りを入れてみて,
「テレビでマジック番組をやっていたら見る程度」
なのであればセーフだと思いますが,
「YouTubeでもよくマジックの動画を見る」
という場合にはこのカラーチェンジは行うべきではありません。
私の経験上,相手の年齢に関係なくどれだけ普段からマジックの動画を見ているかを重視した方が良いと思います。
実際に,小学生の男の子に

それ知ってるよ!こうやってやるんでしょ!
と言われてしまったことがあります。
マジシャンのプライドから敢えて言わせていただきますと,その子は「知っているだけ」でした。
実際にやってくれたものは到底カラーチェンジと呼べるものではありません。
ですが,この「知っている」というのは非常に厄介で,こちらの完成度に関係なく興味を失ってしまうのです。
このようなときは別のカラーチェンジで切り抜けましょう。
「アードネスカラーチェンジ」のやり方
既に記事が長くなってきてしまったのですが,やり方を説明していきます。
1.選んだカードをトップに持ってくる
まずはトップコントロールを行ってください。
こちらも例に漏れず,どんなコントロールを使っていただいても構いません。
まだトップコントロールを知らないという方はこちらをご覧下さい。
2.ダブルリフトを行う
そして,選んだカードの下のカードを見せるようにダブルリフトを行います。
ここでのセリフは前回の記事をご参考にして頂ければと思います。
ダブルリフトをマスターしていない方はこちらの記事を読んでみて下さい。
3.トップカードを押し出し,選ばれたカードを引く
ここがこのカラーチェンジで一番重要な手順です。
まずは,右手の小指を使ってトップカードを少し前に出します。
その流れで,右手の掌底(手のひらの下あたり)を使って1枚下のカード(選ばれたカードを)手前に引きます。
完全に引き出したら,トップカードの上に持っていき,2枚を重ねながら突き出していたカードも左手の人差し指で元に戻します。
アードネスカラーチェンジは左からの角度に弱いので,左側視点でこの動きを撮ったものがこちらの動画です。
掌底でカードを引きますが,この当てる位置が良くないと手でカードを隠すことができません。
特に手の甲の小指側からカードが見えてしまうことが多いです。
フラッシュしているかどうかを鏡などで確認しながら当てる位置を調整してみて下さい。
4.ダブルリフトで戻す
カラーチェンジを行った後,トゥウィローチェンジとは異なり,2枚のカードが表向きになった状態になっています。
まだマジックを続ける場合には,ずれないようにダブルリフトを行って元に戻しておいて下さい。
「アードネスカラーチェンジ」のバリエーション
動きとしては単純ですが,工夫次第ではより不思議に見せることもできます。
先ほどの通常のものに動きが付け加わるので,当然難易度は上がってしまいますが,2つほど例を載せておきますので,ご自身の気に入る形のものを練習してみて下さい。
バリエーション1つ目
こちらは単純な縦の動きだけでなく,少し横にずらしてあげることで,引いて重ねるだけという簡単に予想できてしまう見た目を緩和できます。
この場合,横にずらすと同時に突き出していたカードを戻してしまうと良いと思います。
ポイントは,右手の手のひらと,左手の小指の爪を使ってカードを支えることです。
どうしても,左手の指の皮膚に当たってしまうと摩擦で滑りづらくなるので,できれば爪の上を滑らせるように動かすとなめらかです。
バリエーション2つ目
続いては,さらに動きを加えたものです。
先ほどはデックの右側だけに動かしていましたが,ついにデックを横断する形で自由に動かしています。
見た目としてはさらに不思議さが増すかもしれませんが,手が小さいとフラッシュするリスクを挙げてしまうだけなので,注意が必要です。
私もかなり手が小さく,ここまでのリスクを取ることはほとんどありません。
先ほどの小指の爪を使うというポイントに加えて,左の親指の爪も使っています。
通常のアードネスカラーチェンジに飽きた方はこちらも練習してみると一段階進化できると思います。
カラーチェンジ【第二弾】まとめ
いかがだったでしょうか。
動きは知っていても,アードネスカラーチェンジという名前や,細かい動きなどを知ったのは初めてという方が多いのではないでしょうか。
有名すぎるので使う場面には注意が必要ですが,マジックにおいて基本中の基本であるカラーチェンジなので,言われたら問題なくできるというレベルにはもっておいてあると良いと思います。
有名とは言っても,マジックをそこまで知らない方であればちゃんと驚いていもらえるマジックの技法ですので安心してください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
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